INFJ(提唱者)は内向的でありながら人の感情を敏感に察知し、人助けに強いやりがいを感じやすいタイプです。物語の中でINFJ的なキャラクターが一途で執着の強い、いわゆる「ヤンデレ」として描かれることがありますが、これは心的に不安定なときに出やすい傾向の一面であり、INFJ全員に当てはまるわけではありません。この記事ではINFJの性格の特徴を整理しながら、恋愛傾向やINFP・INTJなど似ている型との違いも解説します。

INFJの性格

INFJは内向的で理想を追求する傾向があり、感情が豊かで直感が鋭く、人の感情を察知する能力に長けているとされています。読心術やコールドリーディングを使う人の中にはINFJが多いとも言われています。

人助けをすることを好む人が多く、周りから頼られる場面も少なくありません。頭の中でさまざまな思考が同時に流れているため内面は複雑になりやすく、人に対する洞察力にも優れる傾向があります。

そうした特性から、人助けに関わる職業や政治家、宗教家にINFJが見られることも多いようです。

INFJは複雑でガードが堅い?

人と会うときは自分から場をリードするより、相手に合わせた言動をして反応をうかがう人が多いようです。自分の複雑な内面を隠し、ごく普通のように振る舞うことができるため、INFJの内面の複雑さに気づく人はあまりいません。

人に対する態度は基本的に平等で親切なため周りからは好意的に見られやすい一方、距離を縮めようとすると少し難しさを感じさせることがあります。どれだけ親しい友人や家族であっても、一定の距離を保とうとする傾向があるためです。

直感の鋭さから相手の考えや感情を素早く読み取る力があり、本人も「勘がいい」と自覚していることが多いようです。口数は多くありませんが人との深い会話を好み、話すよりも聞き手に回ることが多いため、相手の状況をじっくり聞いて熟考したうえでアドバイスをする姿勢からよく相談を持ちかけられる傾向があります。

INFJは完璧主義者が多い

慎重で完璧主義的な面を持つ人が多く、何かを始める前に頭の中で結果をシミュレーションする傾向があります(特に-Tの傾向が強い場合)。自分の信念を貫こうとする意志が強く、モチベーションや感情のコントロールに長けているため、ストレス耐性は比較的高い方だと言われています。

読書を好み、心理学や哲学、文学など抽象的に考えられる分野に関心を持ちやすいことから、MBTIそのものに興味を持つ人も多いようです。またINFJはHSP(Highly Sensitive Person)の特性を多く備えているとも言われています。HSPとは刺激に敏感で、感覚が過剰に発達しやすい性質を持つ人を指す言葉です。

INFJは人助けが好き?

INFJは人を助けることに生きがいを見出しやすく、社会福祉やカウンセラー、教育、政治、宗教といった分野で活躍している人が多いとされています。会話を通じて相手の本質を見抜く力に長けており、感情を上手く隠せるため、苦手な相手とも表面上はうまく付き合えることがあります。

F(感情)タイプの中でもTの傾向が比較的強く出やすいとされ、いわば最も理性的な感性を持つF型とも言えます。

INFJの恋愛観は少し変わっている?

アニメなどに登場するINFJ的なキャラクターには、いわゆる「ヤンデレ」タイプが多いとされ、実際にINFJはヤンデレ的な傾向が出やすいと言われることがあります。これはINFJが心的に不安定なときに、そうした特徴が表れやすいためだと考えられています。

xNFxの型は基本的に恋をすると相手に合わせやすい傾向がありますが、INFJは完璧主義的な傾向や独特の恋愛観を持つ人が多く(特に恋愛経験が少ないほどその傾向が強まりやすいようです)、好きになった相手に対して尽くしすぎてしまい、それが執着につながる場合があります。もっとも、これは一部のINFJに見られる傾向であり、INFJ全員がヤンデレというわけではありません。

ENFJも似た理由でヤンデレ的な傾向が出ることがありますが、自分の気持ちを相手にうまく表現できずストレスをためやすいINFJに比べ、ENFJは気持ちを表現するのが得意で尽くす対象の幅も広いため、INFJほど一人の相手に強く執着することは少ないとされています。

INFJは人を受け入れる基準が厳しく、心から分かち合えると感じない限り最初から距離を置く傾向があるため、普段は人に執着する姿を見せることがENFJより少ないかもしれません。しかし一度心を許した相手に対しては、ENFJよりも執着しやすいとされ、いわゆる「ヤンデレ」のステレオタイプはINFJが不健康な状態にあるときの特徴をよく表していると言われています(関係が閉鎖的になりやすい状態です)。

完璧主義に近い恋愛観のせいで、逆に恋愛に対して消極的になりやすい面もあります。正確には消極的というより、相手が自分の基準を満たしているかを直感的に照らし合わせる傾向が強いため、誰とでも気軽に付き合う性格ではないということのようです。そのため異性の友人は多くても、自分自身は恋人がいない時期が長くなることもよくあります。

「まずは誰かと付き合ってみたら」というアドバイスが、一番響きにくい型かもしれません。その代わり、一度関係が始まれば長く続きやすい理想的な型とも言えます。ENFJは外向的で人に対して友好的なFeが主機能であるため、恋愛のハードルはINFJに比べてかなり低いとされ、気さくでノリの良さから異性に好かれやすい傾向があります。

INFJは裏表が激しい?

主機能Niの因果関係を読み解く力や本質を理解する能力と、3次機能Tiによる原因・結果分析がシナジーを発揮するため、INFJは同じ人物であっても、集まる場所や人脈によって違う性格のように見えることがあります。「裏表がある」という評価を受けやすいのは、こうした特徴の影響だと考えられます。

性格がかなり控えめな面があり、一人で周りの感情を感じ取りながらも口を閉じていることが多いようです。陽気な人たちの前では静かになる一方、親しい友人や家族の前では陽気な一面を見せることも少なくありません。

ISFJやISTJは内向型でも人間関係を大切にし周りに人が多く、処世術や社交性に富む傾向がありますが、INFJは親しく気の合う相手にだけ素の自分を見せる傾向が強いようです。日本の「京都の気質」に近いとも言われ、周りの評判を気にして表向きは上手く取り繕う(建前)一方、本音は違うという二面性を指摘されることがあります。

表向きの態度と感情が一致しやすいINFPとの大きな違いは感情への対処の仕方で、INFJは自分の感情を上手くコントロールして相手に悟られないようにすることができます。また人間関係にはかなり厳しい面があり、一度嫌いになった相手とは関係を修復しないことが多いとされています。

これは「INFJ Door Slam」と呼ばれる傾向で、普段は相手に対して我慢を重ねていることが多く、それが爆発した際に関係をバッサリ切り捨ててしまうというものです。ある程度の過ちであれば快く許すことが多いものの、度を超えるとDoor Slamの状態になり、関係の修復は極めて難しくなると言われています。もちろん嫌いになった相手を完全にシャットアウトする傾向は他の型にも見られますが、INFJは頻繁かつ強烈にシャットダウンする傾向があることから、こう呼ばれるようになったようです。

INFJの人口比率は極めて少ない

INFJの人口比率は全体の1%程度とされ、MBTIの中でもかなり少ない型です(男性のINFJはさらに少ないとされています)。男性の大多数を占めるS+T型とは対照的なNF型であるため、男性のINFJはMBTI全16タイプの中でも人口比率が最も少ない部類に入ると言われています(INFJの男性は人口割合0.5%未満とされます)。

そのためなかなか気が合う人が見つからず、自身の性格をコンプレックスに感じてしまう人もいるようです。以下は、INFJだという女性読者から寄せられた自己分析です。

INFJの女性から見た自分

私は今現在INFJで、小学校4年の時はESTPというMBTIの結果が出ました。当時子供でありながらその結果に納得し、自分がESTPであることを疑いませんでした。

しかし小学校高学年から高3まで、家族や対人関係で思い悩む日々が続き、数年間は友達のおかげでかろうじて持ちこたえていました。それくらい辛かったです。ISTJの父とISFPの母のもとで厳しく育てられましたが、社会生活を送る中でかつての自分を少しずつ取り戻し、性格が変わっていきました。どうやら、子供の頃のMBTIの結果はあまり当てにならないようです。

女であるにもかかわらず、子供の頃から女性の文化がうまく理解できず男性とつるむことが多かったため、こうして性格が変わったのは自分でも少し意外でした。当時は女子高を途中で辞めたいと思うくらい、通うのが嫌でした。色々書きましたが、こういうINFJもいるということが誰かの参考になればうれしいです。INFJのみんな、頑張りましょう。

MBTIに関する記事の中でもINFJへのアクセスは多い傾向にあり、今の日本で生きづらさを感じている人が少なくないことがうかがえます。

INFJはなぜ予言者型と言われるのか

INFJは「預言者型」と呼ばれることがあり、INFJを表す代名詞的な呼び方になっています。予言者と言われる理由は、主機能である内向直観(Ni)が生み出す深い洞察力によるところが大きいと考えられます。

つまりINFJの直感力の源は、感受性の高さから細かな変化を機敏にキャッチできる能力にあり、実際INFJにはHSP(感受性が過剰に強い人)が多いとされています。人間関係で相手を見抜く力や素早い判断力、読心術のような能力も、こうした主機能が関係している可能性が高いようです。

INFPとの違い

INFJとINFPはとても似ているため、多くの人が混同しやすい組み合わせです。

何かを決定する時

P(INFP)は客観性より主観性が強く、自分の心の赴くままに決める傾向があります。J(INFJ)は主観性より客観性が強く、自分の気持ちも大切にしつつ、決定するための論理的な理由を求める傾向があります。

共感する時

INFPはその人の心理状態になりきり、感情そのものに共感しようとする傾向があります。INFJはその人が感じた感情の背景にある状況を理解することで、感情を理解しようとする傾向があります。

人と接する時

INFPはその人の本質や本性を知りたがり、自分自身もありのままの姿で人に接したいと考える傾向があります。INFJは状況に適した言動を心掛け、自分の本性を隠すためにさまざまな振る舞いを使い分ける傾向があります。

MBTIの結果を見た時の反応

INFPは自身が過去に苦しんだ理由を受け入れ、前に進みたいと考える傾向があります。INFJは自身がINFJであることにすぐには納得できず、かといって大きな意味づけもしない傾向があるようです。

INFJから見るINFP

INFPは相手の本質や本性を知りたがる傾向がありますが、それを見せたがらないINFJからすると、こうした詮索する態度をわずらわしく感じることがあるようです。

INFPから見たINFJ

INFPからINFJが「裏表がある」「嘘つき」「信じられない」などと言われてしまうことがありますが、INFJからすれば心外な評価であり、こうした決めつけで相手を傷つけるのは避けたいところです。

INTJとの違い

INTJとINFJはどちらも、これから起こるであろう出来事を予測し、全体の流れを主観的に見渡すNiを主機能として使うタイプです。

第一印象

F(INFJ)は温かく親切な第一印象を与えやすく近づきやすそうに見えますが、実際に近づくと距離を感じさせることがあります。T(INTJ)は冷たい第一印象を持たれやすく近づきにくそうに見えますが、近づいてみると意外と気さくなことが多いようです。

優先事項

INFJは人の気分やその場の空気を優先しやすく、INTJは利益や効率性を優先しやすい傾向があります。

ENFJとの違い

ENFJとINFJは、パッと見た印象から区別しやすい組み合わせだと言われています。

アドバイスの仕方

E(ENFJ)は共感と確信をもとにアドバイスする傾向があり、I(INFJ)は洞察と熟考をもとに比喩を交えて伝える傾向があります。

理不尽な出来事に対応する時

ENFJは真っ向から向き合う覚悟で自分の意思を明確に表現しやすく、INFJは対立を極力避けながらも、自分の意思は曲げない傾向があります。

遊ぶ時

ENFJは大人数で遊ぶことを好み、カラオケやクラブなど賑やかな場所を選ぶことが多いようです。INFJは4人以内程度の小規模な集まりで、じっくり話したり遊んだりすることを好む傾向があります。

意外なINTPとの関係性

INTPとINFJは、MBTIの相性論において非常に良い組み合わせとされる「ゴールデンペア」の一つに挙げられることがあります。中でも男性がINTP、女性がINFJの組み合わせで、その効果がより顕著に表れると言われています。

MBTIの関係論における「与える者(授与者)」と「受け取る者(拝受者)」の関係をよく表しているとされるのが、映画『グッドウィル・ハンティング』に登場するウィル(INTP)とショーン(INFJ)の関係です。ただし、あくまで作中の人物像に基づく一つの見方であることには留意が必要です。

もっとも現実では映画のようにうまくいかないことも多く、INTP側はINFJの感情的な信念を理解しにくく感じ、INFJ側はINTPの批判的でストレートな物言いに深く傷つくことがあります。それでもこうした山場を乗り越えられれば、互いの短所が長所として働き合い、心を通わせた理想的な関係に育っていくと言われています。

ENTPとの意外な共通点

ENTPとINFJは、物事の両面を見て内的に葛藤しやすい性格のメカニズムを持つ点で通じるところがあり、どちらも複雑な人物という印象を持たれやすいタイプです。

直感の方向

ENTPの直感は外部に向かいやすく、斬新で革新的なアイデアを生み出しやすい一方、時に目的からそれてしまうことがあります。INFJの直感は内部に向かいやすく、深みのある洞察を通じて未来を見据えることができる一方、発想そのものは平凡で保守的な立場を取ることもあるようです。

相手を説得する時

ENTPは他の人が気づきにくい視点を論理的に説明する弁論術を積極的に使う傾向があります。INFJは熟考した内容を、相手の気分や状況に合わせて伝えようとする傾向があります。

敵対者について

ENTPは多面的な思考や斬新な発想、論理的な弁論を武器に相手をからかうことがありますが、相手が冗談として受け取れる範囲にとどめようとする傾向があります。INFJは内心では大きな敵意を抱いていても、表面上は穏やかに振る舞って対立を避けながら、対応策を静かに模索する傾向があるようです。

ISFPとの類似点

ISFPとINFJは、表向きは自分を隠して状況に応じて外向的に振る舞えることが多い点で似ていますが、決定的な違いもあります。

心の中で好き嫌いがはっきりしていて課題を後回しにしがちで、今現在起きていることへの関心が強い場合はISFPの傾向が強いと考えられます。一方、自身の考えや信念を脅かされない限り好き嫌いをそこまではっきりさせず、仕事を体系的かつ誠実にこなし、今起きていることより今後起こりうることへの関心が高い場合は、INFJの傾向が強い可能性があります。

FAQ

INFJはなぜ「ヤンデレ」と言われることがあるのですか?

アニメなどに登場するINFJ的なキャラクターに、一途で執着の強い、いわゆる「ヤンデレ」タイプが多く見られることが理由の一つです。INFJは心的に不安定な状態のとき、好きになった相手に尽くしすぎて執着してしまう傾向が出やすいとされています。ただしこれは一部のINFJに見られる傾向であり、INFJ全員が当てはまるわけではありません。

INFJとINFPの一番の違いは何ですか?

物事を決めるとき、INFPは自分の心の赴くままに判断しやすいのに対し、INFJは気持ちを大切にしつつも論理的な理由を求める傾向があります。また感情の表れ方にも違いがあり、INFPは感情が態度に出やすいのに対し、INFJは自分の感情を上手くコントロールして相手に悟られにくいとされています。

自分がINFJかどうかを確かめるにはどうすればいいですか?

性格の傾向は人から見た印象だけでは判断しにくいため、簡単な質問に答える診断を使うのも一つの方法です。当サイトのMirai性格診断で気軽にチェックしてみてください。なお診断結果はあくまで一つの目安であり、成長段階や置かれている環境によって感じ方が変わることもあります。

この記事は2019〜2020年に個人サイト『予月のMBTI研究所』で公開された原稿をもとに、読みやすさの整形と現在の編集方針にあわせた注記の追加を行って再掲載しています。文中で紹介した読者の体験談や作品中のキャラクター例は、あくまで一つの見方・当時寄せられた個人の感想としてお読みください。