INFJ(提唱者)が「来るもの拒まず去るもの追わず」に見えるのは、なぜなのか。その飄々とした人付き合いの理由を心理機能から読み解きます。結論から言うと、INFJは計画性や秩序を好むIJの気質と、直感や感情を重視するNFの気質を同時に抱えやすいタイプです。この組み合わせが、人との距離感における独特の執着しなさを生み出しやすいと考えられます。
最初に

筆者はINTJの女性で、世界人口に占める割合はおよそ0.8%とされ、比較的少ないタイプだと言われています。ただ、INTJ女性よりもさらに少ないとされるINFJの存在を知り、身近にいるINFJを観察する中で気づいたことをまとめてみようと思います。
INTJは理性的な思考が中心、INFJは感情的な判断が中心とされるため、一見すると正反対のタイプに思われがちです。しかし主機能や劣等機能の並びには共通点があり、表現の仕方こそ違っても、やっていることの根っこは似ている部分が多いように感じます。
今回は、そんなINTJにとって姉妹のような存在に感じられるINFJについて書いていきます。
INFJのタイトル

INFJを表す言葉には「預言者」「提唱者」といった呼び名があります。いかにも只者ではない響きですが、実際MBTIの16タイプの中でもINFJは特に希少なタイプとされ、なかでもINFJ男性は世界人口の0.5%未満とも言われており、INTJ女性(0.8%)よりもさらに珍しい存在です。
これだけ珍しいタイプであるにもかかわらず、筆者の周囲にはなぜかINFJが多くいます。希少なタイプというと性格も相当特殊なのではと思われがちですが、実際に接してみると、性格そのものはそこまで奇抜には見えないことが多い、というのが筆者の印象です。
IJとNFという不思議な組み合わせ、それがINFJ

日本ではISFPが最も多いタイプだと言われていますが、筆者の周りにはなぜかISFPよりINFJが多いと感じます。INFJとINTJは似た者同士で、互いを引き寄せやすいのではないか、と個人的には考えています。
筆者の知人に限って言えば、INFJは集団の中で目立つタイプというより、話す側より聞く側に回ることが多い印象です。性格的にも突出して目立つタイプではないため、これほど希少なタイプがあまり希少に見えないというのは、少し意外に感じる部分でもあります。
この「目立たなさ」を考えていくと、INFJという組み合わせ自体がかなり不思議なものだと気づきます。IxxJのタイプは、物事を進める前にきっちり計画を立て、準備を整えてから慎重に判断する傾向があります。納得しないまま次の段階に進もうとすると、どこか落ち着かなさを感じやすいのも特徴です。
ところがINFJの場合、その中間にNF(直感・感情を重視する機能)が入り込みます。本来は計画立てて着実に進めたいはずなのに、判断の芯の部分に直感や感情が置かれているのです。方向性の異なる二つの性質が同居しているような、独特の組み合わせだと感じます。
NFは感受性が強く、繊細な人が多いグループだとされます。理想を追い求める気質が強く、個性的な人が多いのも特徴です。同じF型でもSFとはまた違い、NFにはどこか現実離れした、ふわりとした印象を受けることがあります。
そのため、IJとNFという組み合わせは本来相容れにくく、二つの価値観がぶつかり合うことで内面に葛藤が生じやすいタイプではないかと考えられます。INFJが一見希少なタイプに見えにくいのも、本来の自分をNFの部分でそっと抱えながら、IJの秩序を保つ意識で周囲に合わせているからかもしれません。
INFJは来るもの拒まず去る者追わず

INFJは人間関係を築く際、時間をかけてゆっくりと相手に共感を示していく傾向があります。「来るもの拒まず去る者追わず」という言葉が当てはまりやすく、相手との間に自分なりの線引きをしっかり持っている人が多いのも特徴です。
そのため周囲からは思いやりのある人として好かれやすく、大きなトラブルを起こすことも少ない傾向にあります。ISFPやISFJは感情が表情に出やすいタイプですが、INFJはポーカーフェイスを保ちやすく、自分の感情をうまく内側にしまっておける人が多いようです。
INFPが好意を隠しきれずに表に出してしまいやすいのに対し、INFJは感情を上手に隠しながら相手と接することができる傾向があります。空気を読む力にも長けているため、その場の雰囲気に合わせて振る舞うこともできます。ただし、それはあくまで場を壊さないための調整であって、本人が楽しんでいるかどうかはまた別の話です。
気の置けない少人数のグループや、一人で過ごす時間の方が気楽だと感じる人も少なくありません。穏やかそうに見える見た目とは裏腹に、心の中では反抗的な一面や、普段のイメージからは想像しにくい考えを抱えていることもあります。こうした面から「INFJは裏表が激しい」と言われることもあるようです。
INFJはどこまで相手が自分を受け入れてくれるかを慎重に見極めようとするため、心を開く相手はごく少数に絞られ、そこに至るまでには時間がかかりやすい傾向があります。また、預言者・提唱者と呼ばれるだけあって直感力や洞察力に優れた人が多く、どれだけ取り繕っても見抜かれてしまうことが多いようです。自分のタイプ傾向が気になった方は、当サイトのMirai性格診断でも確認してみてください。
FAQ
INFJが「来るもの拒まず去る者追わず」に見えるのはなぜですか?
INFJは相手との間に自分なりの線引きを保ちながら関係を築く傾向があり、深追いも拒絶もしない態度に見えやすいためです。IJの秩序を保とうとする性質とNFの繊細な感受性が同居していることが、こうした一歩引いた距離感につながりやすいと考えられます。
INFJが葛藤を抱えやすいのはどうしてですか?
INFJは計画性や秩序を好むIJの性質と、直感・感情を重視するNFの性質を同時に持ち合わせています。方向性の異なる二つの気質が内側でせめぎ合うことで、本人の中に葛藤が生まれやすいと考えられます。
INFJは本当に感情を表に出さないタイプなのですか?
感情を隠すのが得意な人が多い傾向はありますが、全く感じていないわけではありません。信頼できるごく少数の相手にだけ、時間をかけて心を開いていくケースが多いようです。
この記事は2019〜2020年に個人サイト『予月のMBTI研究所』で公開された原稿をもとに、読みやすさの整形と現在の編集方針にあわせた注記の追加を行って再掲載しています。文中の統計や人口割合は当時の情報に基づくものです。



