INFPは「天才肌」と言われる一方で、社会に馴染みにくいタイプとしても知られています。結論から言えば、MBTIのタイプそのものが社会適合・不適合を決めるわけではありません。内向性や繊細さといった気質から、外の世界とペースが合わず生きづらさを感じやすい一方、その内側の世界をうまく活かせれば大きな強みにもなり得るのがINFPです。この記事では、INFPが社会不適合者だと言われやすい理由と、生きづらさの正体を具体的に見ていきます。

INFPが社会不適合者だと言われる理由

INFPは「天才肌」と評されることがある一方で、社会不適合者が多いタイプとしても語られがちです。性格タイプ別の収入調査ではINFPが最も低い層に位置するというデータもあり、この極端な評価の分かれ方が話題になりやすい理由のひとつかもしれません。

なぜここまで意見が割れるのでしょうか。INFPは良くも悪くも自分の内側の世界に没入しやすい性質を持っているためだと考えられます。自分の世界をうまく表現できた人は「天才」と呼ばれ、逆に表現する術を見つけられずに閉じこもってしまうと、引きこもりに近い状態になりやすいのです。

INFPはさまざまな才能の種を秘めていることが多いタイプです。自分がINFPだと感じる方は、その才能を見つける工程そのものを楽しんでみてください。

また、INFPは仕事にやりがいや意味を強く求めたり、細部へのこだわりが強かったりと、一般的な組織の働き方とは相性が悪くなりやすい特徴もあります。周囲とにぎやかに仕事を進めるより、静かに黙々と取り組むスタイルを好む傾向があり、それが「変わり者」と受け取られることもあるでしょう。

それでは、INFPが社会不適合者だと言われがちな理由を、具体的に見ていきましょう。

引きこもり体質

インドア派が多いINFPは内向的な傾向が強く、口数が少なくても心の中では多くのことを考えています。何か出来事が起きるたびに「今の自分はどう感じているか」を静かに観察するくせがあるタイプです。

そのため外に出ると考えることが一気に増え、疲れやすくなりがちです。家にいる時間が一番落ち着き、一人で長時間過ごしてもまったく苦にならないのも特徴のひとつです。

最近は家にいながら成り立つ仕事も増えてきました。配信者やYouTuberにもインドア気質の人が多いと言われており、引きこもり気質だから外に出なければならない、という時代はすでに終わりつつあるのかもしれません。INFPは外で無理をして働くより、自分のペースで進められる仕事のほうが力を発揮しやすいタイプだと言えるでしょう。

内向的

恥ずかしがり屋で一対一の関係を得意とし、気づけば空想にふけっていて「何を考えているのかわからない」と言われやすいのもINFPの特徴です。まるでセンサーがついているかのように、自分と似たタイプの相手をすぐに感じ取る人が多いとも言われています。

筆者自身、気の合う友人には内向的なINTPが何人かいました。「内向的」という共通点があったからこそ、自然と仲良くなれたように感じています。

内向型の人は外向型の人に比べ、周囲に多くの人を必要とせずとも満ち足りた気持ちを味わえる、数少ないタイプだと言われます。内向型は外向型にコンプレックスを抱きやすい面がありますが、外向型にはない良さも内向型にはたくさんあります。

HSP気質が濃厚

HSP(Highly Sensitive Person)という言葉をご存知でしょうか。感覚が人よりも敏感に働きやすい気質を指す言葉で、医学的な診断名ではなく性格の傾向を説明する概念として使われています。INFPにはこのHSP的な気質を持つ人が多い傾向があります。

周囲がまったく気にしないような小さな音が気になって仕方なかったり、人混みが苦手だったり(情報量が多すぎて疲れてしまう)と、多くの人が気にも留めないことがINFPにとってはストレスの原因になりやすいのです。

HSP気質の人にとって外の世界は刺激が強すぎるため、家で過ごす時間が多くなりやすいと言われています。この傾向はINFPともよく似ており、INFPはHSP的な気質を併せ持ちやすいタイプだと言えるでしょう。

生きづらい理由

ここからは、INFPが生きづらさを感じやすい具体的な要因を見ていきます。

繊細すぎる

INFPは何気ない言動でも、繊細さゆえに傷ついてしまうことがよくあります。相手は軽い冗談のつもりでも必要以上に落ち込んだり、ひどい場合は涙が出てしまったりして、周囲がその繊細さに戸惑うことも少なくありません。

もし自身の繊細さで傷つくことが多いと感じるなら、相手の言動を必要以上に気にしない練習を少しずつ積んでみましょう。落ち込みすぎたり体調を崩したりすることが減っていくはずです。

筆者自身もかつてはそうした傾向がありました。相手の何気ない態度や言葉で勝手に傷つき、よく落ち込んでいたのです。ですが今はそうしたことがほとんどなくなりました。本を読んで考え方を変えることで、繊細さがストレスにつながる流れを抑えられるようになったからです。

筆者がおすすめしたいのはアドラー心理学の考え方です。「人は人、自分は自分」と思えるようになると、なぜ人間関係で悩みにくくなるのかを丁寧に説明してくれます。ここで特定の本を紹介して広告収入につなげるようなことはあえてしませんが、気になった方はぜひ調べてみてください。

思い込みが激しい

内向的で、多くのことを心の中で自問自答するINFPは、一度悪い方向に考え始めるとその考えを信じ込みやすい傾向があります。「あの人はきっと私をよく思っていない」と思い込んでいても、実際にはまったく違うケースも十分にあり得ます。

思い込みが激しい自覚がある人は、物事を白か黒かで決めつけず、グレーゾーンを設けて様子を見る姿勢を意識してみるとよいかもしれません。仮に嫌われていたとしても、相手の好き嫌いは自分でコントロールできない領域です。アドラー心理学でいう「課題の分離」の考え方に触れてみると、気持ちが少し軽くなることがあります。

ネガティブ

思い込みが悪い方向に強く働くと、どうなるのでしょうか。ネガティブな状態になりやすくなります。

思い込みが良い方向に強すぎるのも問題ですが、悪い方向に強くなると、ネガティブな考えが頭から離れなくなり非生産的になりがちです。ネガティブさを創作活動などに昇華できる一部のケースを除けば、日常生活の中ではあまり役に立たないことが多いのではないでしょうか。

「ポジティブになろう」と言うのは簡単なのであえて言いませんが、考え方を少しずつ調整していくことで、ネガティブな傾向はある程度改善できます。最初はうまくいかなくても、ゆっくりとネガティブな考え方を薄めていく努力を続ければ、だんだん前向きになっている自分に気づくはずです。

筆者を例に挙げてみましょう。ある日、自分の歯ブラシではなく家族の誰かの歯ブラシで歯を磨いていたことがありました。口の中に違和感を覚えて見てみると、いつもと違う歯ブラシだったのです。最初は絶望しましたが、「まあ、記事のネタになるからいいか」と考え直し、それ以降は特に気に留めませんでした。

物事の受け取り方は、ある程度自分で調整できるようになると、必要以上に感情を消耗せずに済み、気持ちが楽になります。ただし、無理やりすべてをプラスに変えようとする必要はありません(自分を見失ってしまう可能性があります)。ちょうどいいラインを見つけていく過程そのものを、楽しんでみてください。

神経質

繊細すぎる人は、感受性が強いとも言い換えられます。感受性が強いと、おのずと神経質にならざるを得ない部分が出てきます。

人より些細なことから多くを感じ取ってしまうため、ある程度神経質に構えておかないと、無駄に消耗する場面が増えてしまうのです。

最後に

ここまで挙げてきた特徴は、どれも改善の余地があると同時に、見方を変えれば長所として活かせるものでもあります。INFPは社会不適合者と呼ばれやすい傾向を持ち合わせているのは確かですが、大器晩成型として、驚くような力を秘めているタイプでもあります。

INFPはこうした自分の特徴を認識したうえで、どう理想の人生を設計していくかが大切になってきます。自分のタイプをあらためて確認してみたい方は、Mirai性格診断で今の自分の傾向を見つめ直してみるのもひとつの方法です。

そのプロセスを一歩ずつ踏み出せれば、それは単なる理想ではなく、実現可能な現実的な目標へと変わっていくはずです。

FAQ

INFPは本当に社会不適合者なのですか?

MBTIのタイプ自体は性格の傾向を示す指標であり、社会に適合できるかどうかを判定するものではありません。INFPは内向的で繊細な気質を持ちやすく、周囲と足並みをそろえるより自分のペースを大切にする傾向があるため、外側からは社会不適合者のように見られることがあります。ただし実際にどう働き、どう生きるかは個人差が大きく、一概に決めつけられるものではありません。

INFPはニートになりやすいのですか?

INFPには、組織的な働き方よりも自分のペースで進められる仕事を好む傾向や、人混みや刺激の多い環境で疲れやすい気質があります。こうした特徴が、一時的に働くことから距離を置く状態につながるケースはあり得ますが、それはタイプそのものが原因というより、環境と気質が合っていないサインと捉えるほうが実態に近いでしょう。在宅でできる仕事や自分のペースを保てる働き方を選ぶことで、状況が変わることも多くあります。

INFPが働きづらさを感じたときはどうすればいいですか?

まずは、繊細さや思い込みの強さといった自分の気質を悪いものと決めつけず、特徴として受け止めることが第一歩です。そのうえで、静かに集中できる環境や、自分のペースを尊重してもらえる仕事の選び方を探ってみると、無理なく力を発揮しやすくなります。考え方のクセに心当たりがある場合は、アドラー心理学のような「人は人、自分は自分」という視点に触れてみるのもひとつの手です。

この記事は2019〜2020年に個人サイト「予月のMBTI研究所」で公開された原稿をもとに、読みやすさの整形と現在の編集方針にあわせた注記の追加を行って再掲載しています。文中の「HSP」等の用語は執筆当時の一般的な使われ方に基づくものであり、医学的な診断を示すものではありません。