アニメの感想をメモしていると、ギャグ担当のキャラだけ書き方が変わります。シリアス担当は「何話で何を決めたか」を書けば足りる。ギャグ担当は「何がおかしいのか」を言葉にしようとして、毎回手が止まるんです。
笑いは、キャラの内側がいちばん漏れやすい場所です。だからこそ、笑わせ方の型を見れば、そのキャラが何を基準に世界を見ているかが少しだけ透けます。
今回は『銀魂』の坂田銀時と志村新八、『ONE PIECE』のウソップを取り上げます。タイプは確定させません。「傾向としては」という言い方で、複数の読みを並べます。
この記事の根拠にできる範囲
筆者が話数まで確認できた場面は限られています。確認できたのは主に、ウソップの離脱と決闘です。ここは話数つきで書きます。
『銀魂』のアニメは2006年にサンライズ制作で放送が始まり、第1期は全201話、2011年からの第2期が202話から252話とされています(TheTVDB)。膨大な話数なので、個別の話数を挙げられない場面は、作品全体の設定に基づく読みとして区別して書きます。
以前、放送開始直後に2話までの印象でキャラを断定して、最終話で全部ひっくり返された記事を出したことがあります。訂正記事を書く羽目になりました。それ以来、根拠の薄いところは薄いと書くことにしています。
笑いの型は大きく3つに分かれる
ここでは、ギャグキャラの笑わせ方を3つに分けます。タイプを決めるための分類ではなく、読むときの補助線です。
| 型 | やっていること | 近い機能 |
|---|---|---|
| 脱力ボケ型 | 場の前提をずらして遊ぶ | Ne(可能性を広げる) |
| ツッコミ型 | ズレを検出して、基準に戻す | Ti/Te(基準での判定)、Fe(場の調整) |
| ハッタリ型 | その場を盛る、自分を大きく見せる | Ne、ときにSe |
注意点があります。笑いの型とタイプは一対一では対応しません。ボケる人がNe優位とは限らず、ツッコむ人がT型とも限りません。あくまで「この場面ではこの機能が前に出ている」という読みです。
坂田銀時のボケは、Neなのか、脱力なのか
銀時は「基本的に死んだ魚のような眼で無気力かつだらしない」と紹介されることが多い人物です(バンダイチャンネル作品ページの作品紹介にも同趣旨の記述があります)。普段のボケは、真面目な状況を雑な言葉でずらすタイプ。ここはNe的な遊びに見えます。
ただ、ここで止めると「ENTP」で終わってしまいます。銀時は、ふざけているのに譲らない線がある。ここが読みの分かれ目です。
- Neが主機能なら、状況に応じて立場ごと軽やかに動く
- ふざけながら守る線が固定されているなら、Fiや、Ti的な基準が下にいる可能性がある
つまり銀時は、ENTP寄りにもISFP寄りにも、INTP寄りにも読めます。個別の話数を特定できない以上、筆者はここで結論を置きません。断定はできないですけど、傾向としては「軽さと頑固さが同居している」という点が、タイプ判定よりも先に押さえるべき事実です。
ちなみに、この種の「ふざけているのに折れない」キャラは、見た目のボケの量でタイプを決めると外します。笑いの量は表の機能、守る線は裏の機能に出る、と考えると見通しがよくなります。
志村新八のツッコミは「常識」を基準にしている
新八は剣術道場の跡取りで、ひょんなことから銀時の営む「万事屋銀ちゃん」で働くことになる、という導入です(同じ作品紹介より)。この設定が効いています。
道場という「型」のある場所で育った人が、型のない銀時の世界に入る。ツッコミは、そのズレを言葉にしているわけです。
ここから読めるのは、新八の判断基準が「世間の常識」や「あるべき姿」に置かれていること。傾向としてはSi(過去の経験や既存の型)とFe(場の調整)が前に出るタイプ、つまりISFJやESFJ寄りの仮説が立ちます。
反対の読みもあります。ズレを検出して指摘する動きは、Ti(論理の一貫性)でも説明できる。この場合はISTJやINTJ寄りです。ツッコミの言葉が「それはおかしい」という論理指摘なのか、「それはみんなが困る」という場への配慮なのか。どちらの比率が高いかで読みが変わります。
筆者の見立てでは、新八は後者(場への配慮)が強いように見えます。ただ、これは全編を通した印象で、特定の話数を根拠にした結論ではありません。
新八のようなツッコミ役がやっているのは、笑いを作ることより、笑いが成立する枠を維持することです。枠がなければボケは暴走して、ただの混乱になります。
ウソップのハッタリは、決闘の場面で裏返る
ここからは話数つきで書けます。
ウソップの笑いは、ハッタリと大げさな嘘が中心です。その場を盛り上げ、危険をやり過ごすために話を大きくする。これはNe的な、可能性を膨らませる動きに近い。
ただ、ウソップの核が出る場面は別にあります。アニメ第235話で、ルフィが修理ではなく新しい船への乗り換えを決めると、ウソップは納得できず一味を抜けると宣言します(Episode 235)。続く第236話「ルフィVSウソップ 男達2人の意地が激突!」で、メリー号を賭けた一対一の決闘になります。
ここが重要なのは、普段のウソップなら「勝てない勝負は逃げる」はずだからです。それなのに、船への思いだけは引かない。ハッタリで場を回す人が、価値のある対象については自分の線を引いて前に出る。
この動きは、外向きの機能(Ne)の下に、内向きの価値基準(Fi)がいる構造として説明できます。つまりENFP寄りの読みです。ESFP寄りやENFJ寄りの解釈もできるので、複数ありえる、というのが筆者の立場です。
なお、離脱は「エニエス・ロビー編」ではなくウォーターセブン編で起きています。エニエス・ロビーはウソップが再合流する流れの中で語られることが多いだけです(TheTVDB 該当シーズン)。ここを取り違えている考察は、わりと見かけます。
3人を並べると見えるもの
3人を並べると、同じ「笑いを担当する人」でも、守っているものが違います。
- 銀時:軽さの下に、固定された線がある
- 新八:枠そのもの。笑いの成立条件を守っている
- ウソップ:盛る力の下に、譲れない価値がある
面白いのは、3人とも「笑いの量」と「譲れないもの」が別の層にあることです。笑いが多いキャラほど、中身が軽いわけではありません。むしろ笑いは、重いものを守るための外装になっている場合があります。
タイプ判定のときは、ここを混同しないことです。笑いの量はE/Iや外向機能の見え方に、譲れないものは内向機能に出やすい。この順番で場面を見れば、ネットでよくある「ギャグキャラは全員ENFP」という雑な分類から離れられます。
自分の推しキャラを読むときの手順
- 笑わせている場面を、話数と状況つきでメモする(ボケか、ツッコミか、ハッタリか)
- そのキャラが笑いをやめる場面を探す(たいてい、そこが核)
- 笑いの量ではなく、笑いをやめた理由でタイプの候補を絞る
- 候補が2つ以上残ったら、両方書く
コメント欄で「違う」と言われたときも、根拠にした場面を並べておけば、反論が具体的になります。こちらも「その場面ならこう読める」という返しをもらえるのでありがたい。考察は、結論より先に手順を見せたほうが議論が進みます。
よくある質問
ギャグキャラはみんなENFPやENTPなのですか?
そうとは限りません。笑いの量が多いと外向的に見えますが、笑いをやめる場面で内向機能が出るキャラも多いです。笑いの量だけで決めず、譲らない場面を確認するのが確実です。
ツッコミ役はT型で、ボケ役はF型ですか?
対応しません。新八のようにFe的な場の調整でツッコむ人もいれば、Ti的な論理の指摘でツッコむ人もいます。ツッコミの言葉が論理か配慮か、どちらに寄るかで読みが変わります。
この記事のタイプは公式設定ですか?
公式設定ではありません。作中の言動に基づく筆者の考察で、別の読みも成立します。作品側がタイプを公表しているわけではないので、仮説として読んでください。
自分と同じタイプのキャラを探すにはどうすればいいですか?
見た目の性格より、迷う場面と譲れない場面に注目すると見つけやすいです。笑いの型よりも、意思決定の癖が自分と似ているキャラのほうが、共感の理由を説明できます。
参考文献
- 銀魂(Gintama)エピソード一覧 — TheTVDB
- 銀魂 作品ページ — バンダイチャンネル
- ONE PIECE Episode 235 — daddyjim.ai
- ONE PIECE シーズン別エピソード一覧 — TheTVDB






